腕時計新作特集|ジュネーヴサロン「S.I.H.H.」

1991年に第1回がスタートした、高級時計の神髄と未来を提示する国際高級時計展「Salon International HAUTE HORLOGERIE(通称ジュネーヴサロン)」。時計界の最高峰に君臨するこの展示会は今年、第20回を迎えた。

新作の発表を控えたブランドも一部にはあったが、カルティエを筆頭とする新コレクションは、この記念すべき年にふさわしい見事なものばかり。会場の来場者の数も雰囲気も、いわゆる「リーマンショック」の直後で世界の高級品市場が劇的に縮小する時期での開催となった昨年と大きく異なり、それ以前の熱気がもどってきた。

参加ブランド数も昨年の17ブランドからさらに2つ増えて19ブランドに拡大。そのなかでも特筆すべき素晴らしいクリエイションを披露したのが、カルティエ、ジャガー・ルクルト、ピアジェ、ヴァシュロン・コンスタンタン、ヴァン クリーフ&アーペル、そしてこのサロン同様に復活からちょうど20周年を迎えた、A.ランゲ&ゾーネである。

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そんな今年のサロンでの特筆すべきトピックは3つ。ひとつめは、カルティエやヴァン クリーフ&アーペルの新作に象徴される粋なアイデアと洗練された美しいデザインに見られる、斬新なメカニズムのすべてがこれまでにない次元で融合した新世代のコンプリケーション(複雑時計)。ふたつめが、ピアジェとヴァシュロン・コンスタンタンがそれぞれ自動巻きと手巻きを“世界最薄”のレコードとともに発表した薄型のメンズドレスウォッチに代表される、ブランドの歴史や神髄を正統に継承したネオ・クラシックウォッチである。そして3つめが、新開発の手巻き薄型ムーブメントを搭載しながら60万円台というプライスを実現したパネライの新作に代表される、魅力的な内容かつこれまでにない手頃な価格(アフォーダブル)なモデルの登場だ。

さらに、この5年ではもっとも充実していたといえる、贅たくな素材づかいや至高の職人技を駆使して宝飾時計の頂点を追求したカルティエやピアジェ、ヴァン クリーフ&アーペル、ヴァシュロン・コンスタンタンなどのハイジュエリーウォッチやアートウォッチも見逃せないハイライトのひとつだ。

世界的な消費不況の影響が懸念されたが、新コレクションを見る限り、その内容はこれまで以上に充実したもの。各ブランドのCEOたちも一様に危機の終焉と未来への展望を力強く語った。