この100年の発展、最大の原動力は“お客様の信頼”

そしてふたつめは、やはり1964年の東京オリンピックです。アジアで最初に開催されたオリンピックで、セイコーは初めて公式計時を担当。見事に成功させました。電子計時システムを導入した初のオリンピックで、機械式でバックアップを取っていたわけですが、そのどちらもセイコーが独自に開発したもの。男子マラソンではアベベ・ビキラ選手がその前のローマ大会に続いて金メダルを獲得しましたが、アベベ選手の前を走るマラソンの先導車の「セイコー」の4つの文字が印象的で、今も鮮明に覚えています。

この東京オリンピックをきっかけに「SEIKO」の名は世界に認知されました。さらにもうひとつが、時計の世界のことになりますが、1967年のスイス・ニューシャテル天文台コンクールと、1968年のジュネーブ天文台コンクールというふたつの精度コンクールでの上位入賞。そして1969年、世界初のクォーツ腕時計「クォーツ アストロン」の発売という一連の出来事です。このことで、セイコーは機械式でもクォーツでも世界の最高峰に到達したことが証明されました。当時は高校生だったので、後日、本を読んで知ったことではありますが、このことは今振り返ると大きな出来事だったと考えています。

製品で申し上げれば、やはり1913年の最初の腕時計「ローレル」。そして1969年の世界初のクォーツ腕時計「クオーツ アストロン」。機械式腕時計とはケタ違いの精度が、世界の人々の生活スタイルまで一変させました。

さらに昨年2012年発売の世界初のGPSソーラー腕時計「セイコー アストロン」です。こちらも今、世界中の人々の腕時計に対する常識やライフスタイルを一変させています。そしてこれらの製品にはすべて、創業者の服部金太郎翁の「常に時代の1歩先へ」という信念が息づいていると思います。