きっかけは、友達から譲り受けた掛け時計

関口さんが時計と出会ったのは高校生のとき。ある日、友達の祖父が所有していたという古い掛け時計を譲り受けることになった。とにかく古い物に興味をもっていた関口さんは、掛け時計の機械部分を見た瞬間「直してみたい」とおもった。その日から、関口さんの腕時計への探求の旅は、はじまる。腕時計に関する知識は、ほとんど書籍から得ることができたが、続けていくうちに時計作りに重要なことは、実践にあると覚る。それからは、古く壊れた時計を手に入れては、次々に直していった。

大学を卒業後、スイスではなくフランスへ

「時計師になりたい」という気持ちが強くなる高校生の関口さんに、父親は大学卒業の資格を取るよう勧めた。

父のアドバイスに従って、日本の大学へ入学。大学卒業が近くなり、ほかの学生とおなじように就職試験を受け、日本のある銀行の最終面接にすすむことになった。その面接でおもわず本音が出てしまった。「特に銀行で働きたいってわけではありません」。このひと言で彼の人生は大きく変わってゆく。関口さんは、2004年23歳で、スイスではなく、フランスへ旅立つことにした。一度は反対した父親だが、出発のとき、やさしく背中を押してくれたのは、父親だった。